病院や介護施設の連絡が、電話・PHS・紙のメモ・口頭の申し送りに頼りきりになっていませんか。
記録が残らない連絡は「言った・言わない」を生みやすく、シフト制で全員がそろわない現場ほど申し送りが漏れがちです。
かといって私物のスマホの個人LINEで患者・利用者の情報をやり取りすれば、情報漏洩のリスクが気になってしまいます。
この記事では、病院・クリニック・介護施設で使える医療・介護向けチャットツールのおすすめ12選を、比較表つきで紹介します。
汎用型と医療・介護の特化型の違いや選び方、個人情報を守るポイント、現場に定着させるコツまで順番に解説します。
- ・話題ごとにスレッド返信で会話を整理
- ・テーマや目的毎にチャンネル作成
- ・未導入の相手にもチャットはそのまま届く
医療・介護の現場でチャットツールが必要とされる背景

まずは、病院や介護施設でチャットツールの導入が進んでいる背景を整理します。電話・紙・口頭が中心の連絡手段には、医療・介護ならではの課題があるからです。
電話・PHS・紙の連絡は「言った言わない」が起きやすい
電話やPHS、口頭での申し送りは記録が残らないため、聞き間違いや伝え忘れといった小さなミスが起こりやすい連絡手段です。
医療・介護の現場では、こうした小さな伝達ミスがインシデントや利用者・家族からのクレームに直結しかねません。
近年は医療機器への影響に配慮しつつ院内PHSからスマートフォンへ切り替える病院も増え、連絡手段を見直す動きが広がっています。
シフト制・多職種で全員が集まれず情報が分断される
医療・介護の現場には、医師・看護師・薬剤師・介護職・ケアマネジャー・リハビリ職など、実に多くの職種が関わっています。
夜勤や日勤などで勤務帯が分かれるため、朝礼や申し送りの場に関係者全員がそろうことは、ほとんどありません。
その場に居合わせなかった職員には情報が届きにくく、職種や勤務帯のあいだで連携がぷつりと途切れてしまいがちです。
個人のLINEで業務連絡すると情報漏洩リスクが大きい
手軽さから私物のスマホの個人LINEで業務連絡をしている現場は少なくありません。
しかし患者・利用者の情報を個人アカウントでやり取りすると、端末の紛失や退職時に情報が残り、漏洩のリスクが高まります。
そこで、管理者が利用状況を把握できる業務用のチャットツールへ連絡を分けることが、導入の大きな動機になっています。
私物のLINEに患者・利用者の情報が残ったままになると、退職者の端末からの流出など、管理しきれないリスクにもつながります。
医療・介護でチャットツールを導入するメリット
チャットツールを導入すると、医療・介護の現場では次のようなメリットがあります。
申し送り・引き継ぎの漏れを防げる
チャットは送った内容が文字で残るため、勤務交代のときの申し送りや引き継ぎで、抜け漏れが起きるのを防げます。
後から検索して「いつ・誰が・何を伝えたか」をすぐに確認できるので、口頭だけの申し送りに比べて情報の抜けを減らせます。
夜勤帯や休み明けの職員も、出勤後にさかのぼって経緯を追えます。
現場の状況を写真つきでリアルタイムに共有できる
言葉だけでは伝わりにくい状況も、写真を添えればその場で正確に共有できます。
- 皮膚の状態や食事量など利用者の様子の共有
- 往診・訪問先からのモバイルでの報告
- 物品・備品の不足や破損の連絡
訪問看護や訪問介護など、事業所の外にいる職員との連携でも効果を発揮します。
口頭やメモでは伝わりにくい細かな変化も、写真や短い動画を添えれば、受け手が同じ状況を正確に把握できます。
電話対応と紙のやり取りを減らせる
チャットなら手が空いたときに確認できるため、業務を中断させてしまう電話の割り込みを大きく減らせます。
連絡ノートや回覧といった紙のやり取りも置き換えられるので、印刷や保管の手間が減り、現場のペーパーレス化にもつながります。
手が離せない処置中やケア中でも、あとから内容をまとめて確認できるため、折り返しの電話に追われる時間を減らせます。
職員の定着・離職防止にもつながる
日々の連絡のわずらわしさや職員間の情報格差は、現場で働く人にとって見えにくいストレスの原因になっています。
必要な情報が職員全員に行き渡る環境は一人ひとりの安心感を高め、結果として定着や離職の防止にも役立ちます。
実際に、チャット導入で早期退職率が下がったと公表している介護事業者もあります。
BCP対策・緊急時の安否確認に使える
地震などの災害や感染症が発生したときには、職員の安否確認や利用者・家族への一斉連絡といった手段が欠かせません。
介護事業所ではBCP(業務継続計画)の策定が求められており、緊急時の連絡体制づくりにチャットが活用できます。
グループへの一斉送信で、電話をかけ続けるよりも早く全員に連絡を回せます。
医療・介護向けチャットツールの選び方

ここからは、医療・介護向けにチャットツールを選ぶときのチェックポイントを整理します。
「現場の全員が、安全に使い続けられるか」を軸に、次の5つを確認しましょう。
患者・利用者の個人情報を扱えるセキュリティか
医療・介護のチャットで最も重要なのが、患者・利用者の個人情報を安全に扱えるかどうかです。
- 通信・保存データの暗号化
- 閲覧できる相手を絞るアクセス権限の管理
- 管理者によるアカウント追加・削除やログの確認
患者情報そのものをチャットに書き込む運用なら、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」への準拠をうたうツールが判断材料になります。
汎用チャットを使う場合は、個人が特定できる情報の書き方をイニシャル運用などでルール化し、業務連絡に絞って併用するのが現実的です。
たとえば利用者を名前ではなく部屋番号やイニシャルで表す、といったルールを決めておくと、情報漏洩のリスクを抑えられます。
ITが苦手なスタッフでも迷わず使えるか
医療・介護の現場には、スマホ操作に不慣れな若手から、長く勤めてきたベテランのスタッフまで、幅広い職員がいます。
どれほど高機能なツールを入れても、全員が使いこなせなければ、結局は一部の職員にだけ情報が偏ってしまいます。
LINEのような直感的な操作で、説明なしでも送受信できる分かりやすさを重視しましょう。
スマホ・共用端末で使いやすいか
看護や介護の現場では、職員が一日中パソコンの前に座っていられるわけではありません。
スマホアプリの操作性や、1台の端末を複数人で使い回す共用端末に対応しているかも、確認したいポイントです。
私物端末を使うBYODを認めるかどうかで、選ぶツールや管理方法も変わってきます。
話題ごとに整理して申し送りが埋もれないか
多職種・多利用者の連絡が1つのグループに集まると、いくつもの話題が混ざり合い、重要な申し送りが埋もれがちです。
時系列にどんどん流れていくチャットでは、少し前の連絡を後から探し出すのにも苦労します。
利用者ごと・テーマごとにスレッドやチャンネルで会話を分けて残せるかどうかは、定着を左右する大切な観点です。
たとえばChatworkなら、あとからスレッド表示を追加できるChrome拡張「スレッドワーク」を使う方法もあります。
スレッドワークはChatwork公式が提供するものではありませんが、話題ごとに会話を分けて申し送りを追いやすくできます。
連絡が流れて追えない悩みは「チャットワークでメッセージが埋もれる原因と対策」、話題を分ける方法は「チャットワークにスレッド機能はある?」で解説しています。
無料で始められるか・費用は適正か
チャットツールは職員全員で使い続けるものなので、費用は総額で考える必要があります。
まずは無料プランや無償で使えるツールから試してみて、現場に定着してから有料プランを検討する進め方も有効です。
介護事業所では、ICT導入を支援する補助金の対象になる場合もあるため、自治体の情報も確認しておきましょう。
無料プランは人数やメッセージの閲覧期間に制限があることも多いので、制限の内容が自分の現場の使い方に合うかを見ておきましょう。
医療特化型と汎用ビジネスチャットのどちらを選ぶべきか

医療・介護で使えるチャットツールは、大きく「汎用ビジネスチャット」と「医療・介護特化型」に分けられます。
まず特徴を比べて、自分の施設に合うタイプを見きわめましょう。
| 比べるポイント | 汎用ビジネスチャット | 医療・介護特化型 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 院内・事業所内の業務連絡全般 | 患者・利用者単位の情報共有や地域連携 |
| 代表的なツール | Chatwork・LINE WORKS | Link・MCS・プレケアチャット |
| 個人情報の扱い | 書き方のルール化で併用 | 患者情報を前提に設計 |
| 費用感 | 手ごろ・無料プランも多い | 無償〜要問合せまで幅がある |
| 向いている現場 | まず連絡手段を改善したい | 電子カルテ連携や地域連携が必要 |
医療特化型が向いているケース
患者・利用者の情報をチャットに直接書き込みたい場合は、医療・介護特化型が向いています。
- 電子カルテや介護記録との連携が必要
- 院外の診療所・薬局・訪問看護と患者単位で連携したい
- 患者・家族もやり取りに加えたい
在宅医療や地域包括ケアのように、施設の垣根を越えた多職種連携が中心の現場に適しています。
院内だけで完結せず、外部の診療所や薬局と患者単位でやり取りする必要があるかどうかが、大きな判断の分かれ目になります。
汎用ビジネスチャットが向いているケース
院内の業務連絡や事業所の申し送り、本部との連絡が主な目的なら、汎用ビジネスチャットが有力です。
- 低コストで、すぐに導入して使い始めたい
- 事務・バックオフィスや複数拠点でも一緒に使いたい
- 取引先や関連法人ともつながりたい
汎用型でも、個人が特定できる情報の書き方を施設でルール化すれば、日々の業務連絡には十分に対応できます。
病院・介護向けチャットツールおすすめ6選【比較表付き】
ここからは、医療・介護向けチャットツールのおすすめ12選を、汎用型・医療特化型・介護特化型に分けて紹介します。
まずは全12ツールの料金・無料プラン・個人情報への対応を、早わかりの比較表にまとめました。
| ツール | タイプ | 無料・無償 | 料金の目安 | 個人情報・ガイドライン | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| Chatwork | 汎用型 | あり(閲覧40日など制限あり) | 700円〜/1人・月(年契約) | 運用ルールで対応 | 中小規模の施設・事業所 |
| LINE WORKS | 汎用型 | あり(30人まで) | 450円〜/1人・月(年契約) | 運用ルールで対応 | 介護職・パート中心の現場 |
| direct | 汎用型(現場向け) | あり(10名まで) | 7,200円〜/月(10名まで定額) | 運用ルールで対応 | 多職種・多拠点の事業所 |
| WowTalk | 汎用型 | なし(2週間のお試し) | 360円〜/1ID・月(年契約・30ID〜) | 管理機能・運用ルールで対応 | 管理・セキュリティ重視の法人 |
| Microsoft Teams | 汎用型 | あり(会議60分まで) | 599円〜/1人・月(年契約) | 運用ルールで対応 | Microsoft 365利用の法人 |
| Google Chat | 汎用型 | あり(個人向けは無料) | 800円〜/1人・月(年契約) | 運用ルールで対応 | Google Workspace利用の法人 |
| Link(HITOTSU) | 医療特化 | あり(基本機能を無償・人数上限あり) | 上位機能・大規模は有料 | 医療ガイドライン準拠 | 病院・クリニック |
| Dr2GO | 医療特化 | なし(要問合せ) | 要問合せ | 医療ガイドライン準拠 | 中〜大規模の病院 |
| MCS | 医療・介護特化 | あり(基本機能が無料) | 300円〜/1人・月(有料プラン) | 医療ガイドライン準拠 | 在宅医療・地域連携 |
| メドコム | 医療特化 | なし(要問合せ) | 要問合せ | 医療ガイドライン準拠 | 院内スマホを整えたい病院 |
| プレケアチャット | 介護特化 | 要問合せ | 要問合せ | 公式に要確認 | LINEに慣れた介護現場 |
| ケアコネ | 介護特化 | 家族向けアプリは無料 | 要問合せ(CAREKARTE契約前提) | 公式に要確認 | CAREKARTE利用の事業所 |
料金は2026年8月時点の各公式サイトの表示をもとにした目安で、特記のないものは税抜・年間契約時の金額です。
無料プランの条件や最新の料金、要問合せのツールの費用は、必ず各公式サイトで確認してください。
なお、比較記事でよく挙げられるWorkplace(Meta提供)は2026年にサービスが終了したため、本記事では取り上げていません。
それでは、業種を問わず使える汎用ビジネスチャット6つから見ていきましょう。
Chatwork|医療・介護の導入事例が豊富で無料から始めやすい
Chatwork(チャットワーク)は、国内の中小企業に広く普及している国産のビジネスチャットです。
- 特徴:シンプルな操作でタスク管理も標準搭載、医療・介護・福祉の導入事例が豊富
- 料金の目安:月700円〜/1人(年契約)
- 無料プラン:あり(過去メッセージの閲覧は直近40日以内などの制限あり)
- 向いている現場:ITに不慣れな職員が多い、中小規模の施設・事業所
公式サイトでは、病院や介護施設で「電話が減った」「会議が効率化した」といった導入事例が数多く公開されています。
施設や病棟の連絡が増えると話題が流れて申し送りを追いにくくなりますが、Chrome拡張の「スレッドワーク」を使えばスレッド表示で整理できます。
スレッドワークはChatwork公式が提供するものではなく、いま使っているChatworkにスレッド表示を足すChrome拡張です。
拡張機能について詳しくは「チャットワークChrome拡張機能アプリおすすめ10選」で紹介しています。
LINE WORKS|LINEと同じ操作感で介護職も迷わない
LINE WORKS(ラインワークス)は、LINEとほぼ同じ操作感で使えるビジネスチャットです。
- 特徴:既読確認や掲示板を搭載、社外のLINEユーザーとも連絡できる
- 料金の目安:月450円〜/1人(年契約)
- 無料プラン:あり(30人まで)
- 向いている現場:LINEに慣れた介護職・パート職員が多い現場
普段のLINE操作のまま移行できるので、スマホ操作に不慣れな職員が多い現場でも、教育の手間を抑えられます。
介護施設や訪問介護の事業所での採用例が多く、家族や外部との連絡にLINEを併用する現場とも相性が良いツールです。
direct|現場向けの国産チャットで介護の導入実績が豊富
direct(ダイレクト)は、L is B社が提供する現場向けの国産ビジネスチャットです。
- 特徴:既読確認・タスク・写真共有に対応、医療・介護・福祉の導入事例を公式展開
- 料金の目安:月7,200円〜(10名まで定額・人数帯ごと)
- 無料プラン:あり(10名まで)
- 向いている現場:多職種・複数拠点で連絡を一元化したい事業所
現場での利用を前提に設計されており、介護分野の導入事例も多く公開されています。
既読の確認や画像の共有に強く、施設と本部、複数拠点のあいだの連絡を一本化したい法人に向いています。
WowTalk|管理機能とセキュリティ重視の国産チャット
WowTalk(ワウトーク)は、キングソフト社が提供する管理機能に強みのある国産ビジネスチャットです。
- 特徴:管理者によるアカウント管理やセキュリティ機能、医療業向けの活用ページもある
- 料金の目安:月360円〜/1ID(年契約・最低30ID〜)
- 無料プラン:なし(2週間の無料お試しあり)
- 向いている現場:アカウント管理やセキュリティを重視する法人
導入事例では、患者の個人情報は管理者がアカウントを管理したうえでやり取りしているという声も紹介されています。
無料プランはないため、まず2週間の無料お試しで操作性や管理機能を確かめてから導入するとよいでしょう。
Microsoft Teams|Microsoft 365利用の法人に導入しやすい
Microsoft Teams(チームス)は、Microsoft 365に含まれるチャット・Web会議ツールです。
- 特徴:ビデオ会議やファイルの共同編集に強み、法人部門との連携に向く
- 料金の目安:月599円〜/1人(年契約・Essentials)
- 無料プラン:あり(会議60分までなどの制限あり)
- 向いている現場:すでにMicrosoft 365を使う病院の事務・法人部門
Microsoft 365のライセンスがあれば、追加費用を抑えて始められるのが強みです。
一方で機能が多く画面の情報量も多いため、現場のスタッフより事務・管理部門での活用に向いています。
Google Chat|Google Workspaceの資料共有と好相性
Google Chat(グーグルチャット)は、Google Workspaceに含まれるチャットツールです。
- 特徴:スプレッドシートやドライブとの連携がスムーズ、スペースで部署ごとに整理
- 料金の目安:月800円〜/1人(年契約・Business Starter)
- 無料プラン:あり(個人向けのGoogle Chatは無料)
- 向いている現場:GmailやドライブをすでにGoogle Workspaceで使う法人
スペースを使えば委員会や部署ごとに会話を分けられ、話題の整理に向いています。
個人向けのGoogle Chatは無料ですが、管理者を置いて組織で運用するならWorkspaceの有料プランが前提になります。
医療現場に特化したチャットツール4選
次に、医療現場に特化して作られたチャットツールを4つ紹介します。患者情報を直接扱いたい病院や、電子カルテ・地域連携が必要な現場に向いた選択肢です。
Link(HITOTSU)|基本機能を無償で使える医療DXチャット
Link(リンク)は、HITOTSU社が提供する医療機関向けの医療DXチャットです。
- 特徴:テキストのQRコード化で電子カルテへの転記に対応、院外の組織とも接続できる
- 料金の目安:基本機能を無償で利用可(人数上限あり)、上位機能や大規模利用は有料
- 個人情報:医療情報を扱う関係事業者向けガイドライン(3省2ガイドライン)に準拠
- 向いている現場:患者情報も扱いつつ院内のDXを進めたい病院・クリニック
無償で使える範囲や有料プランの条件は変わる場合があるため、導入前に公式サイトで最新の内容を確認しましょう。
チャットの文面を電子カルテに転記しやすい仕組みがあり、患者情報を扱う日常の連絡をデジタルに寄せたい病院に向いています。
Dr2GO|医学情報検索や地域連携まで一体化
Dr2GO(ドクターツーゴー)は、SCSK社が医療従事者向けに提供するコミュニケーションプラットフォームです。
- 特徴:グループチャットに医学情報の検索・患者チャット・地域医療連携(転院調整)を統合
- 料金の目安:要問合せ(利用人数で費用は変動しない仕組み)
- 個人情報:3省2ガイドラインに加え、情報セキュリティの国際規格ISMSにも準拠
- 向いている現場:医学情報の検索や地域連携まで一体で使いたい中〜大規模の病院
倉敷中央病院や飯塚病院、藤田医科大学病院といった大規模病院での導入が、公式サイトで公表されています。
料金は利用人数で変わらない仕組みのため、多くの医師やスタッフが使う大規模病院ほど費用の面でメリットを出しやすいのが特徴です。
MedicalCareStation(MCS)|医療介護専用で地域連携に強い
MedicalCareStation(MCS)は、株式会社コラボスクエアが提供する医療介護専用のコミュニケーションツールです。
- 特徴:完全非公開型で、施設や地域を越えた多職種連携が可能、患者本人や家族も招待できる
- 料金の目安:基本機能は無料、ビジネスプランは月300円〜/1人
- 個人情報:厚生労働省のガイドラインに準拠し、ISO27001などの認証も取得
- 向いている現場:在宅医療や地域包括ケアで、施設を越えた連携をしたい現場
全国で29万人以上が利用しており、在宅医療や地域連携の分野で定番となっているコミュニケーションツールです。
基本機能は無料で始められるため、まず地域の診療所・薬局・訪問看護との患者単位の連携から試したい現場にも向いています。
メドコム|院内PHSを置き換える医療機関専用スマホ
メドコムは、株式会社メドコムが提供する医療機関専用のスマートフォンサービスです。
- 特徴:1台に通話・チャット・電子カルテの参照・ナースコール受信などを集約
- 料金の目安:要問合せ(ライセンス費用やシステム構築費など)
- 個人情報:二要素認証や厚生労働省のガイドラインへの準拠に対応
- 向いている現場:院内PHSをスマホに置き換え、連絡手段を1台に集約したい病院
チャット単体ではなく、院内の連絡インフラごと見直したい病院に向いたサービスです。
料金は要問い合わせで導入のハードルはやや高いものの、院内PHSの更新時期に合わせて検討する病院が増えています。
介護・福祉の現場に特化したチャットツール2選
続いて、介護・福祉の現場に特化したツールを2つ紹介します。介護記録との連携や、現場の職員が参加しやすい仕組みに強みがあります。
なお前述のMCSは、介護施設や在宅の現場でも広く使われています。
プレケアチャット|LINE連携型で職員が参加しやすい
プレケアチャットは、株式会社プレシジョンケアが提供する介護現場向けのLINE連携型コミュニケーションツールです。
職員は使い慣れたLINEから参加できるため、新しいアプリの操作を覚える負担を抑えられるのが特長です。
料金や詳しい機能、個人情報の扱いは公開情報が限られるため、導入前に公式サイトで最新の内容を確認してください。
職員がスマホに新しいアプリを入れることへの抵抗が強い現場では、LINEから使える点が導入のハードルを下げてくれます。
ケアコネ|介護記録CAREKARTEと連携できる
ケアコネは、株式会社ケアコネクトジャパンが提供する、介護記録ソフトCAREKARTEと連携できるコミュニケーションツールです。
- 特徴:グループチャットに介護記録の共有・提供票のデータ連携・電子同意までを一体化
- 料金の目安:事業所側はCAREKARTEの契約が前提(有償・要問合せ)
- 対象:ケアマネジャーやサービス事業所、利用者・家族
- 向いている現場:すでにCAREKARTEを使い、記録と連絡をまとめたい事業所
利用者・家族向けのアプリはストアから無料でダウンロードでき、事業所と家族のあいだの連絡にも活用できます。
すでにCAREKARTEで介護記録を管理している事業所なら、記録と連絡・同意の取得をひとつの流れにまとめられるのが強みです。
チャットツールを医療・介護の現場に定着させるポイント

よいツールを選んでも、現場で使われなければ意味がありません。医療・介護の現場に無理なく定着させるコツを、4つにまとめました。
連絡の重要度と使い分けルールを最初に決める
すべての連絡をチャットに寄せると、緊急の要件がかえって埋もれてしまいます。
- 急変・緊急はこれまでどおり電話や口頭
- 通常の申し送り・共有はチャット
- 自分宛の連絡はメンションを付けてもらう
連絡の重要度と使う手段の対応をはじめに決めておくと、現場が迷わずにチャットを使えるようになります。
連絡が流れて追えなくなるときの対処は「チャットワークでメッセージが流れる原因と対策」も参考にしてください。
少人数・1病棟から試して段階的に広げる
最初から全部署で一斉に始めると、初期のトラブル対応に追われてしまい、かえって定着しにくくなります。
まずは1つの病棟や1事業所などの少人数で試し、使い方や運用ルールを固めてから全体へ広げるのが安全です。
お試し期間で現場の声を集めれば、本格導入のときの運用ルールもつくりやすくなります。
返信はリアクションでOKなど現場の負担を減らす
すべての連絡に「必ず返信する」ルールを課すと、忙しい現場では一人ひとりの負担が大きく、長続きしません。
確認したらスタンプやリアクション1つでよい、と決めておくだけで、返信に対する心理的なハードルがぐっと下がります。
「読んだかどうか」が分かれば十分な連絡は、リアクションで回す運用がおすすめです。
管理責任者を決めて端末紛失・退職時の対応を用意する
個人情報を扱う以上、アカウントや端末の管理を現場任せにするのは危険です。
- 管理責任者を決めてアカウントを一元管理
- 端末の紛失時にアクセスを止める手順を用意
- 退職者のアカウントを速やかに停止
入職・退職の多い現場ほど、こうした管理ルールをあらかじめ決めておくことが大切です。
誰がアカウントを管理するのかを明確にしておくと、監査やトラブルが起きたときにも対応の窓口がはっきりします。
医療・介護のチャットツール導入事例
Chatworkは、医療・介護・福祉の導入事例を公式サイトで35件公開しています。
ここでは病院・介護施設・クリニックや薬局に分けて、公表されている効果を紹介します。
病院の導入事例
病院では、会議や電話の効率化、多職種の連携で成果が公表されています。
- 中津第一病院:病院内のコロナ対応工数が半減
- 友愛病院:会議時間が3分の1に短縮
- 武蔵台病院:法人スタッフとの絆づくりに活用
武蔵台病院とkubellの共同調査では、医師のPHS着信が約84%減るなど、負担軽減の効果も報告されています。
介護施設の導入事例
介護施設では、電話対応の削減や職員の定着で効果が出ています。
- アイム:介護現場のICT化で電話が半減
- 礎:早期退職率が7%以下になり、人材が定着
- アイユウの苑:70代の職員も問題なく活用
- オーバー:スタッフ1人あたり約500時間/年を削減
ITに不慣れなベテラン職員も使えている点は、現場に広げるうえで心強い実績です。
介護の現場では、電話や紙の連絡を減らせた分の時間を、利用者と向き合うケアに振り向けられるようになります。
クリニック・薬局・訪問系の導入事例
クリニックや薬局、訪問系の現場では、外部の事業所との多職種連携に活用されています。
- 掛川東病院・桔梗の丘:ICT化による多職種との地域連携
- 笑顔のおうちクリニック名古屋:薬局や看護事業所との連携に活用
- 富士薬局グループ:店舗間の情報共有が効率化
在宅診療の分野でも、春日部在宅診療所ウエルネスなど、多職種連携に活用している導入事例が公開されています。
ここで挙げた効果はChatwork公式サイトで公表されている事例をもとにしており、詳細は各事例ページで確認できます。
医療・介護のチャットツールに関するよくある質問
医療・介護のチャットツールについて、現場からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
医療現場で使えるチャットツールは?
患者情報を直接扱うならLinkやMCSなどの医療特化型、院内の業務連絡が中心ならChatworkなどの汎用型が候補です。目的が「連絡の効率化」か「患者単位の情報共有・地域連携」かで、選ぶタイプが変わります。
患者や利用者の個人情報をチャットでやり取りしても大丈夫?
患者情報そのものを扱うなら、厚生労働省のガイドラインに準拠した医療特化型を選ぶのが安心です。汎用型を使う場合は、氏名など個人が特定できる書き方を避けるなど、記載のルールを施設ごとに定めて運用しましょう。
病院ではスマホやチャットの利用は禁止されていない?
かつては医療機器への影響を理由に、院内でのスマホ利用を控える動きがありました。現在はその影響は限定的と整理され、利用のルールを定めたうえで、院内スマホやチャットを積極的に導入する病院が増えています。
ITが苦手な職員が多くても定着する?
LINEに近い操作のツールを選び、1病棟など少人数から段階的に広げれば、ITが苦手な職員が多い現場でも十分に定着します。実際に、70代のベテラン職員も無理なく使えているという導入事例も公表されています。
チャットワークはどの業種・規模の事業所におすすめ?
Chatworkは、ITに詳しい人が少ない中小規模の施設・事業所や、外部と多くやり取りする現場に向いています。医療・介護・福祉の導入事例も豊富で、まず連絡手段を整えたいときの初手の選択肢としておすすめです。
まとめ|医療・介護のチャットツールは「安全に全員が使い続けられるか」で選ぶ
医療・介護のチャットツールは、機能の多さより「現場の全員が安全に使い続けられるか」で選ぶのがコツです。
最後に、この記事の要点を振り返っておきましょう。
- 患者・利用者の個人情報を安全に扱えるか
- ITが苦手な職員でも迷わず使える分かりやすさ
- 話題ごとに整理でき、申し送りが埋もれないか
患者情報を直接扱うなら医療特化型、まず連絡手段を整えたいなら無料から始めやすいChatworkが有力な選択肢です。
一方でChatworkは、利用者ごと・テーマごとの連絡が1つのグループに混ざると、大事な申し送りが流れて埋もれがちです。
Chatworkでこの「話題の切り分け」まで整えたい場合は、スレッド表示を追加できるスレッドワークが役立ちます。
スレッドワーク|クレカ不要で無料登録・スレッド表示&チャンネル追加の拡張機能

スレッドワークはChatworkにスレッド機能とチャンネル作成ができるChrome拡張機能です。普段の画面のままで、メッセージごとのスレッド返信・チャンネル作成が使え、ChattGPTやClaudeなどの生成AIと連携できます。
- 流れる会話をスレッドスレッド表示・返信(Slackと同じ感覚で使える)
- テーマ・話題ごとにチャンネル作成で会話を整理
- 相手が未導入でも使える ※中核特許技術
- ChatGPTなどの生成AIと連携で要約・チャットボットで自動化
Chatworkの「流れる・埋もれる・遡れない」という3つの問題を、ルーム構成を変えずに解決することを目的に開発しています。導入から利用開始まで最短1分で使えるようになります。
- Google登録・Chatworkアカウントと連携する
- 普段のChatwork画面でスレッド返信・チャンネル作成
- AI連携で会話を要約・チャット内をAI検索・ボット作成
クレジットカード登録不要・14日間の無料トライアル付きでご利用いただけます。Chromeウェブストアで公開中で、登録後すぐにお試しいただけます。
「あの件どうなった?」を、今日で終わりに。
スレッドワークは、Chatworkにスレッド表示とチャンネルを追加するChrome拡張機能です。
Chromeウェブストアで公開中。14日間、すべての機能を無料でお試しいただけます。
クレジット不要/最短1分で開始







